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芸術監督 白井晃より【1.15配信】

2021-01-15

 去年の四月以降、演劇、舞台芸術、アートは不要不急だと言われ、何の為に表現はあるのかということを考えざるを得なくなりました。公演や延期になったり、気持ちが萎えることも多くありました。しかし、今は確実に必要必須なものだと思うに至っています。

 人は現実に生きる中で、悲しみや、苦しみや、絶望にさいなまれることがたくさんあります。そんな時に欲するものは、現実から少し離れたフィクションではないでしょうか。物語に触れることで、今の自分を客観的に見ることができるものです。喜劇に触れて喜びを感じたり、悲劇に触れて心を動かしたりすることで、萎縮した心を解放できることがあると思います。

 同時に、表現者たちの活動を持続することで文化そのものを守り続けることができると思うのです。

 

 今回、開幕を迎えた「富安由真展|漂泊する幻影」と「アーリントン」〔ラブ・ストーリー〕、昨年四月に緊急事態宣言が出たことで中止になった作品です。調整を重ね、関係者の皆さんの熱意と努力の元に、なんとか今年一月に延期という形で開催、開演することができました。図らずも、再びこのような時期に実施することなったのは、正直心が痛みます。

 しかしながら、少しでもこれらの作品に触れることで、日々の生活に活力を与えることができるのであれば、私たちは厳粛な気持ちで準備をして皆さんのご来場をお待ちしたいと思います。

 今、私たちにできる最大限の努力をして、万全を期してお迎えするつもりです。

 ご来場心からお待ちしております。

 

                        KAAT神奈川芸術劇場

                          芸術監督 白井晃