KAATについて

芸術監督 長塚圭史からのごあいさつ

2021年4月1日よりKAAT神奈川芸術劇場の芸術監督に就任致しました長塚圭史です。本来ならばここで所信表明を記そうと思っていたのですが、日々目まぐるしい社会状況ゆえに、それは次の機会にします。ご興味ある方はぜひ就任会見の映像をご覧ください。(https://youtu.be/f1PCExMf79w)そこで劇場を「ひらいて」いくビジョンをお話ししております。季節感を持った劇場になるためにシーズン制を取り入れること、また時には実際に劇場を飛び出して行くこと、そして上演がなくてもマグマのようにクリエーションの火を絶やさぬことなどをたっぷりお話しています。また芸術監督の交代ということにつきましても、白井晃前芸術監督とお話する貴重な機会を得ましたので、こちらも映像でご覧になっていただけるとわかりやすいかと思います。KAATの芸術監督とはなんぞや(劇場によって役割はそれぞれ違うと思いますが)という一面がわかるのではないかなと思います。
https://youtu.be/0sw9gxqYLs0, https://youtu.be/xQiAFnQVFVQ
この一年は劇場にとっても厳しいものとなりました。KAATは約5ヶ月間の休館を余儀なくされました。その後は客席配置に工夫をしながら上演を続けています。スタッフ・出演者、そしてお客様の多大なる努力の結果、安全をまもってきました。細心の注意を払い、厳しい自己管理をしながらも我々が力強く走り続けていられる大きな原動力は、この状況下でも劇場に足を運んでくださる、そして劇場には来られなくても配信公演などを楽しみにしてくださるお客様の思いがあるからこそです。私たちがこの一年の間、どれだけお客様に励まされたことか。全てのパフォーミングアーツは、やはりそこにお客様があることで成立するものです。お客様の想像力がなければ成立し得ないものばかりです。もし演劇やダンスを見て、これまでにないほどの感動や衝撃を覚えたことがあったとしたら、それはお客様がその作品の一部となったからです。だから我々は見てくださるお客様が一人でもいらっしゃってくだされば、演じ、踊ることができるのです。
もちろん社会の状況が変われば私たちは厳しい判断を迫られます。けれども劇場は、皆様が豊かな想像力の持ち主であることをハッキリと思い出させてくれる場であると信じています。出来うる限りの対策を練り、それを実行しながら、続けられる限り走り続けたい心算です。またどれだけの長期戦になろうと発信し続ける力を蓄えて行きたいと願っています。
公共劇場はそれぞれの地域の文化を豊かに維持・発展するという大切な役割を担っています。KAATを覗けば何かが上演されている、あるいは何かが熱く準備されている、ワクワクするようなカケラがそこに輝くように在りたいと思います。

KAAT神奈川芸術劇場芸術監督長塚圭史

長塚 圭史(ながつか けいし) [劇作家・演出家・俳優]

撮影:細野晋司
撮影:細野晋司

劇作家・演出家・俳優。1975年5月9日生まれ。1996年早稲田大学在学中に演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成し、作・演出・出演の三役を担う。2011年、ソロプロジェクト「葛河思潮社」を始動、2017年には、福田転球、大堀こういち、山内圭哉と新ユニット「新ロイヤル大衆舎」を結成。

2008年9月から1年間 文化庁・新進芸術家海外留学制度にてイギリスに留学。
2019年4月よりKAAT神奈川芸術劇場芸術参与。
2021年4月、KAAT神奈川芸術劇場芸術監督に就任。

KAAT神奈川芸術劇場での作品
2011年1月 葛河思潮社 第一回公演「浮標」(演出・出演)
2013年9月 葛河思潮社 第三回公演「冒した者」(演出・出演)
2014年9月 葛河思潮社 第四回公演「背信」(演出・出演)
2016年4月 白井晃演出「夢の劇 -ドリーム・プレイ-」(台本・出演)
2016年8月 葛河思潮社 第五回公演「浮標」(演出・出演)
2017年10~11月 「作者を探す六人の登場人物」(上演台本・演出)
2018年9~10月 白井晃演出「華氏451度」(上演台本)
2018年9月 阿佐ヶ谷スパイダース「MAKOTO」(作・演出・出演)
2018年11月 「セールスマンの死」(演出)
2019年12月 「常陸坊海尊」(演出)
2021年1月  「セールスマンの死」(演出) ※再演
2021年5~6月 新ロイヤル大衆舎×KAAT「王将」-三部作‐(構成台本・演出・出演)
2021年9月 「近松心中物語」(演出)