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お知らせ 2021/10/9 KAATアトリウム映像プロジェクトVol.19|諫山元貴

KAAT神奈川芸術劇場エントランスに広がるアトリウムに映し出される巨大映像。10月9日(土)より、諫山元貴の作品《Order#8》(2021)上映中です。

《Order#8》は、塩ビパイプを型取ってつくられた白い物体が水中で刻々と崩壊していく様子をそのまま再生した映像です。それぞれの円柱状のものは個別に崩れてはまた現れるように編集されていますが、全体の画面を通して鑑賞すると始まりと終わりの繋ぎ目がなくエンドレスな映像となっています。白い破片が音もなくゆっくり下降し、突如劇的に崩れ落ちることで靄が広がっていく現象を延々と繰り返す様子は、観る者の心情によっては解放感をもたらし、時に不安を感じさせるものでもあります。諫山は物質が崩れていくそのままの時間を通して、心情的な時間だけではなく、万人に与えられた肉体の変化という物理的な時間へアクセスし、繰り返される日常の中で普段意識しない時間を観ることを試みています。 

《Order#8》(2021)

KAATアトリウム映像プロジェクト |諫山元貴
2021年10月9日(土)―2022年1月31日(月)●会期中無休
10:00-18:00 ●夜公演がある日は終演時刻まで上映
観覧無料
 ※ご入館時、サーモグラフィーによる体温チェックがございます。


諫山元貴 GENKI ISAYAMA
美術家。1987年生まれ。2014年吉野石膏美術振興財団在外研修助成にてベルリンに滞在。「崩壊と複製」をテーマに映像や立体を制作。近年の主な展覧会、受賞に「オルタナス アーティストインレジデンス」(オルタナス、秋田、2021)、「どこかで?ゲンビ:諫山元貴「Objects #7」」(広島駅南口地下広場ショーウィンドウ、2021)、「Under 35 2021」(BankART KAIKO、横浜)、「NONIO ART WAVE AWARD 2019」グランプリがある。