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お知らせ 2020/4/15 芸術監督 白井晃より (4/15発信)

 政府の緊急事態宣言を受けて、4月25日の上演を目指しておりました、「アーリントン」「ポルノグラフィ」は中止とさせていただきました。加えて、6月開催・上演予定の冨安由真展「漂泊する幻影」及び、岡田利規さん作・演出「未練の幽霊と怪物」も中止することになりました。

 楽しみにしてくださっていた観客の皆さん、そして、準備を重ねてきたキャスト、スタッフに対して、本当に心苦しく思います。

 

 こうして一つ一つの作品が中止されるごとに、身を切るような思いです。表現者にとって、表現の場を失うことがどんなに辛いことか。本当に心が痛んでおります。

 しかしながら、まず、観客の皆さんと、キャスト・スタッフの安全を最優先に考えたいと思います。この状況では、安全にリハーサルすることも、準備することもままならないと考えました。

 

 感染拡大に伴う危険性は日ごと高まり、今は収束の兆しも見えません。私たちは、正しい情報を得られぬまま、不安だけはピークに達しています。この不安を抱えたままでは、観客、表現者、双方がリスクを背負うことになってしまいます。劇場での関係が成り立たず、機能しないと判断いたしました。

 

 人々が集まらない劇場は、劇場とは呼びません。しかし、演劇はまだまだ色んな可能性を持っていると思います。今は、離れてもコミュニケーションが取れる手段がたくさんある時代です。

 劇場は閉めても、演劇はなくなるわけではありません。KAATは、離れながらも、みなさんと表現を共有する方法を考え続けたいと思います。今できることを選択し、今回中止になった作品たちの魂の再生を、必ず検討していきたいと思います。

 

 皆さんが安心して劇場に戻って来られる日を、心待ちにしています。

 

                         2020年4月15日

                         KAAT 神奈川芸術劇場

                         芸術監督  白井晃