KAAT神奈川芸術劇場プロデュース

ミュージカル『夜の女たち』

  • 日時 2022/9/3(土)~2022/9/19(月・祝)
  • 会場 ホール
  • お問い合せ チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00、年末年始を除く)

原作:久坂栄二郎
映画脚本:依田義賢

上演台本・演出:長塚圭史
音楽:荻野清子

出演:江口のりこ 前田敦子/伊原六花 前田旺志郎 北村岳子 福田転球/大東駿介 北村有起哉

石橋徹郎 中山義紘 入手杏奈 山根海音 篠崎未伶雅 山口ルツコ 小熊綸 加瀬友音

公演情報

溝口健二監督映画「夜の女たち」を舞台化、長塚圭史が挑む初ミュージカル。
忘れてはならない時代、占領下を生き抜いた日本人たちの物語。
 

2022年度メインシーズン「忘」の幕開けは、溝口健二監督映画「夜の女たち」の初の舞台化作品です。
猛スピードで進む現在に立ち、日々大切なことをどんどん忘れていく私たちですが、忘れてはならないことを見つめ、これまで日本人が歩んで来た歴史を見つめることで、生きている今を考える。
長塚は、芸術監督二年目のシーズンタイトルを「忘」にしたことについて、「忘れてはならないことに思いをはせる、自分たちの国の歴史を見つめ、自分たちの歩みを知り、私たちは今、歴史のどこに立っているかを認識することができる」と言います。
1948年、戦後すぐに公開された「夜の女たち」は、戦後間もない大阪釜ヶ崎を舞台に、生活苦から夜の闇に堕ちていった女性たちが、必死に生き抜こうとした姿を描いた作品です。敗戦により価値観全てがひっくり返り、何が間違っていて何が正しいのかを見失ってしまった迷える人々。怒涛のように流れ込んできた自由の象徴であるアメリカ音楽と、心の奥底にだらりと横たわる勝利を確信したはずの軍歌・・・。思想を、家族を、生きていく術を、全てを失った日本人。
映画の脚本を元に、長塚が上演台本、作詞を手掛け、音楽の力で、ミュージカルとして描くことで、混沌とした時代を生きていかなければならなかった日本人のエネルギー、生命力を描きます。
私たちが忘れ去ろうとしている時代を生きた3人の女性の壮絶な人生。忘れてはならない時代に改めて向き合うことで、私たちは何を思うでしょうか。

 

個性豊かな俳優とクリエーターで紡ぐ、占領下の日本の物語

出演者には、個性豊かな俳優が揃いました。

夫を戦争で失い、「闇の女」へと堕ちていく主人公・大和田房子には、個性あふれる演技と唯一無二の存在感で長塚からの信頼も厚い江口のりこ。戦争で全てを失い、自暴自棄になり進駐軍が駐屯するホールでダンサーとして生きる房子の妹・君島夏子には、映像のほか、昨年は『フェイクスピア』(2021年、作・演出:野田秀樹) 出演など、舞台でもコンスタントに活動する前田敦子。女たちを夜の「闇」から救い出そうとする病院長・来生に個性あふれる実力派・北村有起哉。戦後の闇ブローカーのような仕事をし、行き場を失った房子を雇い、また愛人とする栗山商会社長・栗山謙三には、映像、ドラマで幅広く活動する大東駿介。時代に翻弄される若者、房子の義妹・久美子には『ロミオ&ジュリエット』(2021年、小池修一郎演出)のジュリエット役の新鮮な演技が記憶に新しい伊原六花、久美子を騙す学生・川北に「彼女が好きなものは」(2021年、草野翔吾監督)をはじめとする映画、舞台で活躍する前田旺志郎

その他にも、房子の戦死した夫、大和田健作には、『王将』-三部作-(2021年、構成台本・演出:長塚圭史)の坂田三吉役も好評を博した福田転球、古着屋の女主人・富田きくには劇団四季出身のベテラン北村岳子など、実力派俳優が揃いました。

音楽は、日本のミュージカル界をけん引する荻野清子。長塚とは、井上ひさし作『十一ぴきのネコ』(2012年)以来、多くの作品でタッグを組んでいます。振付は、ダンサーとしての活躍はもちろん、『キレイ』、『キャバレー』、『業音』(松尾スズキ演出)、『幻蝶』(白井晃演出)など多くの舞台作品の振付を手がける康本雅子

長塚圭史が上演台本、演出を手掛け、初めてミュージカルに挑みます。
 

■溝口健二と映画「夜の女たち」

ヴェネツィア国際映画祭で「雨月物語」が世界的評価を受けた溝口監督は、後年、女性映画の巨匠と呼ばれるほど、一貫して虐げられた女性の姿を冷徹なリアリズムで描き、弱い者たち、とりわけ女性の生き方を、その身に寄り添いながら描いたことに特徴があります。「わが青春に悔いなし」の久板栄二郎による原作「女性祭」を、依田義賢が脚色し、溝口健二が監督し映画化。戦後間もない大阪釜ヶ崎を舞台に、生活苦から夜の闇に堕ちていった女性たちが、必死に生き抜こうとした姿を描いた作品です。主演は「女優須磨子の恋」(監督:溝口健二)、「雨月物語」、「楢山節考」など、日本映画史を代表する田中絹代。大女優・田中絹代が初めて汚れ役に挑んだ社会派群像ドラマです。

 

【あらすじ】

戦後すぐの大阪、釜ヶ崎。「日没後、この付近で停立または徘徊する女性は闇の女と認め、検挙する場合があります」と札が立っている。大和田房子は焼け出された後、病気の子を抱えて困窮していた。夫は戦地からまだ帰っておらず、両親や妹・夏子は終戦を迎えたものの消息不明になっている。姑や義理の妹・久美子と同居しながら、着物を売り払ってなんとか暮らしている。そこに届いたある知らせに絶望する房子。その後、ダンサーとなった夏子と偶然再会する。房子、夏子、久美子、3人の女たちの壮絶な人生と、凄まじい生命力を描いた人間ドラマ。


演出家コメント

「夜の女たち」は溝口健二監督の1948年の映画です。戦後間もない大阪釜ヶ崎(今のあいりん地区)を舞台に、空腹と、全く新しい価値観の中で、必死に生き抜く女性たちとその時代を描いていました。この映画はまだ占領下にあった実際のその時その場所で撮影しています。まるでドキュメンタリーフィルムのようです。
占領下。敗戦で一夜にして日本の価値観が真っ逆さまになった時代です。呆然とするもの、戦争孤児、身寄りが誰一人いなくなって生きる術がなくなったもの、自暴自棄になるものもいます。そういう中で連合軍、特に圧倒的多数だったアメリカ兵、いわゆる進駐軍が押し寄せてきます。禁止されていた音楽がなだれ込んでくる。敵性音楽が自由の象徴として聞こえてくる。
それは、目を背けたくなるような貧困や孤独、欺瞞や憤りと矛盾に溢れた時代であると同時に、人間の権利が改めて問われる時代の始まりでもありました。戦後急増したパンパンと呼ばれた街娼は、社会現象として捉えられました。しかしこれは貧困からのみ生じただけではなかったと言われています。全体主義と封建制度から突然解放された自由の中、女性たちがその権利を掴み始めた時、あらぬ方向へ膨張して弾けた現象でもあったのではないでしょうか。 
今、また再び世界は戦時下におかれました。壊れゆく街をまざまざと目にするたびに、人間の恐ろしさを痛感します。未だにやめられずにいるのです。忘れてはいけない、知らなくてはいけないという思いで立ち上げるこの作品が、なぜ今我々はここにこうしてあるのかという近代を冷静に見つめる一助となると同時に、どんな悲惨の中でも生きていく人間のポジティブな底力を感じていただけたらと思います。
初めてのミュージカルです。俳優陣も主にミュージカル界からではなく、ストレートプレイを中心に活動する方々に集まっていただきました。新しい時代を描く時、未開の領域へ触れるパワーが作品の核心に近づくものになるだろうと考えたからです。そして私が心より信頼する荻野清子さんが音楽・作曲、振付は以前からご一緒したいと切望しておりました康本雅子さん。他にもチャレンジ精神に満ちた素晴らしい仲間たちが集まってくれました。時代に真摯に向き合って、お客さまも共に歌い出したくなるようなミュージカルを(本当に初めてですが)作り上げていきたいと思います。
長塚圭史


【プロフィール】

長塚圭史 (ながつか・けいし) 上演台本・演出

劇作家・演出家・俳優。
1996年、演劇プロデュースユニット阿佐ヶ谷スパイダースを旗揚げし、作・演出を手掛ける。2017年より劇団化。2008年、文化庁新進芸術家海外研修制度にて1年間ロンドンに留学。2011年、ソロプロジェクト・葛河思潮社を始動、三好十郎作『浮標』『冒した者』などを上演。2017年、新ユニット・新ロイヤル大衆舎を結成し、北條秀司作『王将』三部作を下北沢・小劇場楽園で上演。KAAT神奈川芸術劇場での演出作品に『作者を探す六人の登場人物』(17年/上演台本・演出)、『セールスマンの死』(18年・21年/演出)、『常陸坊海尊』(19年/演出)、『王将』-三部作-(21年/構成台本・演出・出演)、『近松心中物語』(21年/演出)、『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~』(22年/上演台本・演出・出演)。その他近年の主な舞台に、新ロイヤル大衆舎『緊急事態軽演劇八夜』(20年/演出・出演)、『イヌビト~犬人』(20年/作・演出・出演)、阿佐ヶ谷スパイダース『老いと建築』(21年/作・演出・出演)など。
2004年第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞、2006年第14回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。俳優としても映画「海辺の映画館―キネマの玉手箱」、「ランブラーズ2」、「シン・ウルトラマン」などに出演。
2021年4月よりKAAT神奈川芸術劇場芸術監督。


 <ご来場の皆さまへのお願い>

KAAT神奈川芸術劇場では新型コロナウイルス感染拡大予防対策を徹底し主催公演を実施します。ご来場前に必ず、劇場HPの「ご来場のお客様へのお願い」をご確認ください。

 

【STAFF】

原作     :久坂栄二郎
映画脚本   :依田義賢

上演台本・演出:長塚圭史
音楽     :荻野清子
振付     :康本雅子

美術     :二村周作

照明     :大石真一郎

音響     :佐藤日出夫

衣裳     :伊藤佐智子

ヘアメイク  :稲垣亮弐

歌唱指導   :満田恵子 伊藤和美  

演出助手   :西祐子  

舞台監督   :大垣敏朗

 

企画製作・主催:KAAT神奈川芸術劇場
お問合せ:チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00、年末年始を除く)

スケジュール

9/3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
月・祝
14:00 13:00

14:00 14:00 13:00 13:00

14:00 14:00 13:00 13:00 13:00
18:30夜割 18:00 18:30夜割 18:00

◎=託児サービスあり 公演1週間前までに要予約・有料(マザーズ:0120-788-222)

※誠に恐れ入りますが感染症拡大防止の観点より、お祝い花(ロビー花・楽屋花)、プレゼント、お手紙など差し入れは辞退申し上げます。


<全国ツアー>

北九州芸術劇場 中劇場 9月24日(土)~25日(日)

穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール 9月30日(金)~10月2日(日)

山口市民会館 大ホール 10月6日(木)

まつもと市民芸術館 主ホール 10月10日(月・祝)

兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 10月14日(金)~16日(日)

チケット

チケット料金

7月発売予定

詳細は決まり次第HPにてお知らせ致します。

チケット取扱い

チケットかながわ
インターネットで予約・購入はこちら

電話で予約・購入

0570-015-415(受付時間:10:00~18:00)