KAAT・KUNIO共同製作

KUNIO15「グリークス」

  • 日時 2019/11/21(木)~2019/11/30(土)
  • KAme
    先行
    2019/7/27(土)
  • 一般発売 2019/8/3(土)

10時間のギリシャ悲劇一挙上演!

人間と神、正義と過ち、秩序と混沌が入り乱れる一大狂宴演劇。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ルーツ』(2016年)、同『オイディプスREXXX』(2018年)とKAAT神奈川芸術劇場で新作を発表してきた演出家の杉原邦生が2019年11月に『グリークス』を演出いたします。

『グリークス』は、1980年にイギリスで初演された10本のギリシャ悲劇をひとつの長大な物語に再構成した長編の舞台作品。第一部「戦争」、第二部「殺人」、第三部「神々」からなる三部構成で上演時間はおよそ10時間にも及ぶ作品です。本作品に、2011年KUNIO11『エンジェルス・イン・アメリカ 第一部「至福 千年紀が近づく」第二部「ペレストロイカ」』の連続上演以降、木ノ下歌舞伎『三人吉三』(2014年、2015年)、同『東海道四谷怪談―通し上演―』(2013年、2016年)と、長編の硬質な戯曲に取り組んできた演出家の杉原邦生が、第一部、第二部、第三部の連続上演に挑みます。

また、今回の上演にあたって、翻訳を小澤英実さんが担当いたします。2014年のKUNIO11『ハムレット』以降、KUNIOでは海外戯曲を上演する際に出来る限り新翻訳を行っています。“いま、この時代に上演すること”をテーマに、翻訳者とともに「言葉」の多様性を捨てずに選び、創作にあたりたいと考えます。

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演出 杉原邦生より

僕は〈大きな演劇〉が好きです。僕の言う〈大きな演劇〉とは、時間や空間、物量など物理的な〈大きさ〉の上に、物語としての〈大きさ〉をあわせ持った演劇のことです。簡単に言えば、長ったらしくて壮大なストーリーの演劇が好きということです。なぜなら、長い時間をかけることでしか表現できない物語や世界があるから。そして、そういう作品でしかつくり出せない祝祭的な時間と空間がたまらなく好きだから。それが僕の思う〈大きな演劇〉の魅力であり、『グリークス』はその魅力が詰まりまくった演劇だと言えます。

「誰のせいだったのか。」─── 約2500年前、古代ギリシャで生まれた悲劇10本によって紡がれるこの物語が、現代の僕たちに投げかけてくる問い。それは、とてもシンプルです。人は抱えきれないほどの不幸や災難、苦しみや悲しみに襲われたとき、必死にその原因をわかりやすい形で求めはじめます。やがて、ひとつの答えが導き出されると、憎しみや怒りが湧き上がり、そのものを消し去りたいと強く願います。そして、その強い願いがまた新たな悲劇を生み出していくのです。

「誰のせいだったのか。」と過去を掘り下げていくことが悲劇を生み続けていく。この連なりは一体いつになれば終わるのか。いつになれば人間は悲劇から解き放たれるのか。もしかすると、この〈大きな〉問いと戦い続けることこそ、《戦争》も《殺人》もなくなることのない世界に生きる僕たち人間に、《神々》が与えた宿命なのかもしれません。しかし、この宿命はひるがえって、〈希望〉であるとも言えます。これまで答えの出ない問いに向かい続けることができたのは、そこに僕たち人間が僅かながらも可能性を見出してきたからだと思うからです。

10時間という長大な上演時間の中、古代ギリシャの悲劇を通して、人間が見出したその〈希望〉を生き活きとエキサイティングに現代へ描き出したいと考えています。そして、この〈大きな演劇〉が持つエネルギーとその魅力を、ぜひ劇場で共に体感してほしいと願っています。

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【 出 演 】

アガメムノン……………天宮良

クリュタイムネストラ…安藤玉恵

 

テティス…………………本多麻紀[SPAC-静岡県舞台芸術センター]

ヘレネ……………………武田暁[魚灯]

アンドロマケ……………石村みか[てがみ座]

アイギストス……………箱田暁史[てがみ座]

メネラオス………………田中佑弥[中野成樹+フランケンズ]

アキレウス………………渡邊りょう

ブリセイス………………藤井咲有里

ピュラデス………………福原冠[範宙遊泳]

タルテュビオス…………森田真和

オデュッセウス…………池浦さだ夢[男肉 du Soleil]

 

エレクトラ………………土居志央梨

エウクレイア……………河村若菜[SPAC-静岡県舞台芸術センター]

ヘルミオネ………………毛利悟巳

カッサンドラ……………森口彩乃

ニテティス…井上夕貴[さいたまネクストシアター|PAPALUWA]

クリュソテミス…………永井茉梨奈

ポリュクセネ……………中坂弥樹

オレステス………………尾尻征大

イピゲネイア……………井上向日葵

岩本えり

三方美由起

アステュアナクス………山口光

 

ヘカベ……………………松永玲子[ナイロン100℃]

プリアモス………………外山誠二[文学座]

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 老人………………………小田豊

※当初発表より、一部変更となっております。

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【編・英訳】ジョン・バートン、ケネス・カヴァンダー

【翻訳】小澤英実

【演出・美術】杉原邦生

【音楽】Taichi Kaneko

【振付】白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)

【照明】高田政義(RYU)

【音響】稲住祐平*

【衣裳】藤谷香子(FAIFAI)

【舞台監督】藤田有紀彦*

【京都公演舞台コーディネイト】大鹿展明

【演出助手】大原渉平、木之瀬雅貴、西岳

【プロダクション・マネージャー】山添賀容子*

【技術監督】堀内真人*

【宣伝美術】加藤賢策(LABORATORIES)

【版権コーディネイト】株式会社シアターライツ

【制作】河野理絵、前田明子、加藤仲葉

【制作統括】横山歩*

【プロデューサー】小林みほ、千葉乃梨子*(神奈川公演)、井出亮(京都公演)

*はKAAT神奈川芸術劇場

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翻訳 小澤英実(おざわえいみ)

翻訳家、批評家、東京学芸大学准教授。専門はアメリカ文学・文化と日米舞台芸術。主な著訳書に『幽霊学入門』、『現代批評理論のすべて』(共著・新書館)、エドワード・P・ジョーンズ『地図になかった世界』(白水社)、フランク・キング『ガソリン・アレー』(創元社)、ロクサーヌ・ゲイ『むずかしい女たち』(共訳・河出書房新社)など。イヴ・エンスラー『ヴァギナ・モノローグス』、トリスタ・ボールドウィン『雌鹿』など上演戯曲の翻訳やドラマターグも手がける。

 

演出 杉原邦生(すぎはらくにお)

演出家、舞台美術家。KUNIO主宰。
1982年生まれ。国内外の骨太な戯曲の本質を浮き彫りにしてみせると同時に、ポップでダイナミックでありながらも繊細な演出が特長。2004年、プロデュース公演カンパニー “KUNIO” を立ち上げ、これまでに『エンジェルス・イン・アメリカ-第一部・第二部』(作:トニー・クシュナー)の連続上演、『更地』(作:太田省吾)、『ハムレット』『夏の夜の夢』、柴幸男氏による書き下ろし新作戯曲『TATAMI』などを上演。主な外部演出作品にKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ルーツ』(脚本:松井周)、同『オイディプスREXXX』、木ノ下歌舞伎『黒塚』『勧進帳』『三人吉三』『東海道四谷怪談―通し上演―』、歌舞伎座八月納涼歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』(構成のみ|演出:市川猿之助)など。セゾン文化財団シニアフェロー。平成29年度第36回京都府文化賞奨励賞受賞。

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上演期間、特製ホットサンドセットの販売について

English introduction → Click here!

企画・製作・主催:KUNIO/合同会社KUNIO,Inc. KAAT神奈川芸術劇場

助成:公益財団法人セゾン文化財団、芸術文化振興基金

お問い合せ:チケットかながわ 0570-015-415(10:00〜18:00)


11/10(日)京都公演より舞台写真公開!

撮影:井上嘉和


「グリークス」特設サイトにて稽古場レポート更新中!
特設サイトでは、お知らせや稽古場レポートなどの公演情報を更新しております。
ぜひご覧ください!

http://kunio.me/15th/greeks/


【掲載情報】

10/4   Time Out Tokyo 杉原邦生さんインタビュー

10/8   ステージナタリー 杉原邦生さん×小澤英実さん対談

11/5   演劇最強論-ing 杉原邦生さんインタビュー

11/9   ステージナタリー 京都公演レポート・杉原邦生さんコメント

11/12  ぴあ 杉原邦生さんインタビュー

11/20  マグカル・ドット・ネット 杉原邦生さんインタビュー


【東京プレビュー公演】

11月1日(金)第一部・第二部、2日(土)第三部 

会場:森下スタジオ

※詳細はKUNIO official websiteにてお知らせいたします。

 

【京都公演】

京都公演:京都芸術劇場 春秋座

2019年11月10日(日)

第一部11:00/第二部15:00/第三部18:00

お問合せ:京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター 075-791-9207

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スケジュール

11月21日(木)~30日(土) 
各日
第一部
11:30~14:30(途中休憩2回含む)
第二部
15:00~17:35(途中休憩2回含む)
第三部
18:30~21:40(途中休憩2回含む)
*受付開始は各部開演の30分前です。
*開演後のご入場はお待ちいただく場合がございます。
*未就学児の入場はご遠慮ください。

チケット

当日券
【全席指定】
各部チケット:5,000円
一日通し券:10,000円

各回開演30分前から5階大スタジオ当日券売り場にて販売いたします。

11:00~
 一日通しチケット
 第一部~第三部チケット販売
14:30~
 第二部、第三部チケット販売
18:00~
 第三部チケット販売

※ロビー開場は開演の30分前、客席へのご案内は開演の15分前を予定しております。
※各種割引チケットは前売りのみ取扱い。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。
チケット発売日

KAme先行(かながわメンバーズWEB先行販売): 2019/7/27(土) ~

かながわメンバーズ入会はこちら

一般:2019/8/3(土)

チケット料金
全席指定 一日通し券:10,000円 各部チケット: 一般:5,000円 U24チケット(24歳以下) :2,500円 シルバー割引(満65歳以上):4,500円 高校生以下割引:1,000円 各部チケットは9月21日(土)より発売 ※U24,シルバー,高校生以下チケットはチケットかながわの電話・窓口のみ取扱い。(前売りのみ・枚数限定・要身分証)