~『わかったさんのクッキ―』関連イベント〜
金氏徹平・パフォーマンス作品
『スカルプチャーのおばけのレクチャー』

  • 日時 2015/7/26(日)
  • 会場 アトリウム

彫刻とダンス!プロフェッショナルとアマチュア!
複製と現物!フィクションとライブ!
語らない岡田利規、歌わない前野健太、(いつもどおり)彫らない金氏徹平。おばけに教わって物にダンスを踊らせる。





[演出・構成]
金氏徹平×山田晋平×青柳いづみ

[出演]
岡田利規
 (演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰/わかったさんのクッキー台本・演出) 
前野健太
 (シンガーソングライター /わかったさんのクッキー劇中歌作曲)
金氏徹平
 (現代美術作家 /わかったさんのクッキー舞台美術)


プラスチック製品、人形、雑誌の切り抜きなどの日常品をコラージュしたり、積み重ねることで、絶え間ない変化や異世界を創りだす独自の世界観が魅力の作家「金氏徹平」。金氏とゲストアーティストの岡田、前野3人が、金氏の代表作・白い彫刻をライブパフォーマンスで制作。日常にある様々なモノを3人が各々つみあげ、白いペンキをかけて3体の彫刻作品へと変化していく過程を音、映像、プロジェクションを交えながらパフォーマンスとして展開する。コラボレーションユニット「金氏徹平 x 山田晋平 x 青柳いづみ」の新作パフォーマンス作品
 



『スカルプチャーのおばけのレクチャー』
2011年に「家電のように解り合えない」に参加したことから始まった舞台芸術への興味について、以前から抱いていた彫刻への疑問や可能性とくっついたり離れたりしながら、継続して取り組む機会を得て来た。
「家電」では舞台に上げた彫刻を俳優と並列化し、物が物を演じた。
2013年の「しあわせな日々」では舞台上で物と身体の結合すること、大量の物が何も無い状態を形成することを経験した。
2014年に自ら演出した「レクチャーのオバケ」では美術の展示空間であるギャラリーを舞台化させ、それまでの舞台での経験を融合させた。
  三つの例で欠かせない重要な要素であったのは、言うまでもなく舞台という場と言葉も含めた俳優の驚くべき身体性、パフォーマンスだった。それらは自分の作品には無かったものだ。更に「レクチャーのオバケ」では歴史や批評のフィクション性、現物と複製の無化、プロとアマの反転、トレースの中のライブ性に取り組んだ。
2015年の「わかったさんのクッキー」では世界のしくみや人々の記憶も利用して、これまでより更に過剰に、めまぐるしく物の意味や名前や役割が入れ替わり、身体や物語との関係性も変化する。まさに魔法のように。
今回の「スカルプチャーのおばけのレクチャー」は「わかったさん」の舞台美術の別の形でもあり、前回の「レクチャーのオバケ」の続編でもある。
彫刻そのものとそのプロセス(名前を無くした運動、物質、時間、空間)を対等なものにすることはできないか。複製と現物、フィクションとドキュメントがどちらがどちらかわからないまま共存している状態。生々しさとはいつどこで発生するのか?オルタナティブな役割を演じ、彫刻を制作するという無用性をさらにトレースすることから表れる身体性を見たい。
                            金氏徹平

 



▼アーティストプロフィール


金氏徹平 x 山田晋平 x 青柳いづみ 


現代美術家・金氏徹平を中心に、演劇やダンスを主として多数の舞台で映像を手掛ける舞台映像デザイナー・山田晋平、マームとジプシー、チェルフィッチュ、飴屋法水などの舞台で活躍する俳優・青柳いづみの 3 人で結成したコラボレーションユニット。 プラスチック製品やおもちゃ、雑誌の切り抜きなどの日用品をモチーフにコラージュ的な手法で作品を製作する金氏。世界で高く評価されるそのユニークな世界観を軸に、3 人で映像、オブ ジェ、音、ライブパフォーマンスなど既成の形態にとらわれない様々な作品を創りだしている。 これまでに、演劇作品「レクチャーのオバケ」(2014 年/京都国際舞台芸術祭)、プロジェクションマッピング作品「holes and buildings」(2015 年/豊川市桜ヶ丘ミュージアム)を発表した。





岡田利規
演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰/わかったさんのクッキー台本・演出

1973年 横浜市生まれ。熊本市在住。ユニークな身体性と言語表現で、岡田以前以後で語られるほど高い評価を得る。97年演劇カンパニー チェルフィッチュを旗揚げ。05年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。07年クンステン・フェスティバル・デザールにて海外進出を果たし、世界70都市で上演。08年『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で第2回大江健三郎賞受賞。小説家としても注目を集める。KAAT とは 11 年『ゾウガメのソニックライフ』、12年『現在地』、13年『地面と床』、14 年『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』をチェルフィッチュとして発表。
【WEB】http://chelfitsch.net/




前野健太
シンガーソングライター

1979年埼玉県入間市出身。
2007年に自ら立ち上げたレーベル”romance records”より『ロマンスカー』をリリースしデビュー。2009年ライブドキュメント映画『ライブテープ』(松江哲明監督)に主演。第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」で作品賞を受賞。2010年9月”Victor Entertainment”より発売された『新・人間万葉歌~阿久悠作詞』へ参加。桂銀淑(ケイ・ウンスク)の「花のように鳥のように」をカバーした音源を発表。同作はitunseなどで配信限定リリースされる。2011年3枚目のオリジナルアルバムとなる『ファックミー』をリリース。同年、松江哲明監督の映画『トーキョードリフター』に再び主演。全国公開される。2011年末には第14回みうらじゅん賞を受賞。2012年auの新CM「あたらしい自由」篇に出演。2013年1月、ジム・オルーク氏をプロデューサーに迎え制作された4枚目のアルバム『オレらは肉の歩く朝』を発売。同年7月「FUJI ROCK FESTIVAL’13」へ出演。
【WEB】http://maenokenta.com/
 



金氏徹平
現代美術家

1978 京都府生まれ 京都府在住 
2001年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)留学。2003年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。プラスチック製品やキャラクターフィギュアなどのおもちゃ、雑誌の切り抜き、シールなど身の回りにあるものを素材に、コラージュ的手法で制作を行う。2009年横浜美術館で、同館での史上最年少個展作家となる「溶け出す都市、空白の森」など国内での発表のほか、海外での個展や企画展も多数。近年では、シンガポールビエンナーレ2011、エルミタージュ美術館での企画展「Mono No Aware. Beauty of Things. Japanese Contemporary Art」(2013-14)参加、北京での個展「Towering Something」(2013、ユーレンス現代美術センター)など。また、2011 年『家電のように解り合えない』(作・演出:岡田利規、出演:森山開次)、2013 年、ARICA+ 金氏徹平『しあわせな日々』(あいちトリエンナーレ2013 にて初演)にて舞台美術を手がける。
【WEB】http://www.teppeikaneuji.com/



 

映像技術:須藤崇規
照明:吉本有輝子
音響:稲住祐平
舞台監督:鈴木康郎
助成:一般財団法人地域創造

主催・製作:KAAT神奈川芸術劇場

 

 

 

スケジュール

19:30開演(約50分)

チケット

チケット料金
入場無料・予約不要 入退場自由