KAAT ×高山明/Port B
『ワーグナー・プロジェクト』
―「ニュルンベルクのマイスタージンガー」―

2017年10月20日(金)~2017年10月28日(土) 

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作品情報

劇場がストリートになる、54時間の上演!

この秋、KAAT神奈川芸術劇場では、現実の都市や社会に介入する活動を展開してきた高山明/Port Bによる新作『ワーグナー・プロジェクト』―「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を開催いたします。
日本の劇場では8年ぶりのクリエーションとなる高山が本作で挑むのは、近代的な演劇の手法を確立したと言われるワーグナーを「ヒップホップ」に接続して展開するプロジェクト。10月後半の9日間(6時間×9日間=54時間)にわたる“上演”では、KAAT神奈川芸術劇場大スタジオに、サイファー、ライブ、クラブイベント、ラジオ放送、映像配信、プレスセンター、ラップのワークショップ、ワーグナーやヒップホップについてのレクチャーやトークイベント、ファッションショー、グラフィティなどで構成された複数の時空間を、同時多発的に立ち上げていきます。ファシズム的な集中と求心の手法を確立した作曲家・総合芸術家と捉えられているワーグナーですが、彼がストリートを舞台にした作品『ニュルンベルクのマイスタージンガー』では、民衆=フォルクによる新たな歌/芸術が生まれる過程が描かれています。そこには、芸術や都市の祝祭を更新しようとした、革命劇としての側面があります。ワーグナーの民衆芸術への探求が描かれた“歌合戦”を、ストリートオペラと例えられることもあるヒップホップに接続し、劇場をストリートに変えて展開する『ワーグナー・プロジェクト』。劇場に新たな「コミュニティ」を生み出す新しい都市の祝祭、ワーグナーのかつてない「上演」にご期待ください! 

構成・演出:高山明/Port B
音楽監修:荏開津広   
ドラマトゥルク:柴原聡子   
空間構成:小林恵吾 

高山明/Port Bについて
既存の演劇の枠組みを超えて、現実の都市に介入するプロジェクトで知られ、近年は演劇及び美術の分野で世界各地に活動の幅を広げる演出家・高山明。Port Bは高山を中心にプロジェクトごとに形を変えて作られる創作ユニットです。ドイツのフランクフルトで展開された最新作の『マクドナルド放送大学』では、シリアやアフガニスタンといったさまざまな国からドイツに来た難民が「教授」となり、実際のマクドナルドで「授業」を行うプロジェクトを発表し、大きな反響を呼びました。日本ではフェスティバル/トーキョー、横浜トリエンナーレ、銀座メゾンエルメス フォーラム、六本木クロッシングをはじめとした国際フェスティバルや美術館などで近年は作品を発表しています。http://portb.net/
 



『ワーグナー・プロジェクト』とは
WAGNER × HIPHOP = ?

ワーグナー作「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
ワーグナーの唯一の喜劇で、実在の町を舞台とした職人や町人による“歌合戦“を題材としたオペラです。4時間半に及ぶ大作で、オペラ史上最も長時間の作品のひとつ。ヒトラーの党大会でその冒頭が流されていたことでも知られます。民衆芸術への探求が描かれた本作は、ストリートを舞台に展開し、ワーグナーが芸術や都市の祝祭を更新しようとした革命劇としての側面をもっています。町の娘と婚約する資格をめぐり、マイスタージンガー(親方歌手)たちによる歌合戦が繰り広げられる物語。主人公である親方のひとりハンス・ザックスは実在の人物がモデルにされています。


ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー(1813年~1883年)
作曲家、指揮者、劇作家、理論家。客電を落とす、オーケストラピットを隠すなど、現在に至る劇場の構造、ファシズム的な集中と求心の手法を確立した総合芸術家と捉えられています。また、「歌劇王」とも呼ばれ、ロマン派歌劇(オペラ)の頂点として知られるワーグナーは、音楽界だけでなく19世紀後半のヨーロッパに広く影響を及ぼした中心的文化人のひとりです。時の権力者・ルートヴィヒ2世をパトロンとして建設した「バイロイト祝祭劇場」には、今も多くのワグネリアン(ワーグナー愛好者)が訪れます。
 

「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を、どう“上演”する
『ワーグナー・プロジェクト』は、9日間にわたる「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の「上演」です。主な構成はヒップホップの4大要素と呼ばれるDJ/ラップ/ブレイクダンス/グラフィティから展開し、サイファーやライブ、ファッションショー、レクチャーやワークショップ、ラジオ放送といった複数の時空間から成るタイムテーブルを発表します。

ワーグナー・プロジェクトのコンテンツ
ワーグナーの「ニュンベルクのマイスタージンガー」をモチーフに、あらゆるストリートカルチャーが同時多発的に展開されます。コンテンツから何をチョイスするかはあなた次第。6時間×9日間=54時間ぶっ通しの上演を、自分だけのオリジナルタイムテーブルで楽しめます。

●ラップ
ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のライトモチーフ*を用いて、日本のDJがオリジナルトラックを作成。日本語ラップのアーティストたちが歌います。本プロジェクトの音楽監督には、自身もDJとして活動し、日本のヒップホップ、ラップシーンに初期から関わる荏開津広を迎え、DJやラッパーと本プロジェクトをつなぎます。
*オペラなどの楽曲中、特定の人物や状況などと結びつけられ、繰り返し使われる短い主題。

●グラフィティ
劇場の舞台美術は、レム・コールハース率いるOMAで経験を積んだ建築家・小林恵吾と、グラフィティ・アーティストが手掛けます。劇場をストリートがハックするかのような仮設の空間を、KAAT神奈川芸術劇場の大スタジオのなかに立ち上げます。

●ファッションショー/ライブ、レクチャー/ワークショップ
プロジェクト期間中はファッションショーやライブ、レクチャーやワークショップなどによって構成されたタイムテーブルを発表します。ファッションショー/ライブには、オリジナルのストリートファッションを身にまとった、今日本で人気を集めるラッパーたちが登場予定。

●メディアハック
1970年代にニューヨークのサウスブロンクスで誕生したヒップホップ。グラフィティのライターたちは、地下鉄の車体にグラフィティを描き、それがNY中をかけめぐることで自分たちの存在を知らしめました。「オールシティ」と呼ばれるこのアイデア。本プロジェクトでは現代版「オールシティ」として、MVやネットラジオ、Tシャツやステッカーといったさまざまなメディアに寄生して、ブロードキャストしていきます。これらのクリエイティブディレクションは、前述の音楽監督・荏開津広と、建築やアートの企画・編集者で本プロジェクトのドラマトゥルクを担う柴原聡子が手掛けます。

今後のワーグナー・プロジェクト リリース予定
●8月下旬:第一弾出演者ラインナップ発表、特設ウェブサイト公開予定
●8月下旬~9月上旬:チケット発売開始予定!

 


▽アーティストプロフィール

高山明(Akira Takayama)
1969年生まれ。2002年、PortB(ポルト・ビー)を結成。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、建築、都市リサーチといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。主な作品に2017年『マクドナルド放送大学』(ドイツ/フランクフルト)、2016年『北投ヘテロトピア』(台湾/台北)、2014年『完全避難マニュアル・ラインマイン版』(ドイツ/ラインマイン地域)、2014年『横浜コミューン』(日本/横浜)、2013年『東京ヘテロトピア』(東京/日本)、2011年『国民投票プロジェクト』(日本/東京、福島ほか)など多数。2016年より東京藝術大学大学院映像研究科准教授。


▽クリエイションメンバープロフィール

音楽監督:荏開津広(Hiroshi Egaitsu
執筆/DJ/京都精華大学、立教大学非常勤講師。ポンピドゥー・センター発の映像祭オールピスト京都プログラム・ディレクター。90年代初頭より東京の黎明期のクラブ、P.PICASSO、ZOO、MIX、YELLOW、INKSTICKなどでレジデントDJを、以後主にストリートカルチャーの領域において国内外で活動。著書に『人々の音楽について』(EDITION OK FRED、2010年)、共訳書に『サウンド・アート』(フィルムアート社、2010年)。主なキュレーションに『サイドコア 身体/媒体/グラフィティ』(2013年)、プログラム・ディレクションに『ポンピドゥー・センター公式映像祭 オールピスト東京』(2014年)など。

空間構成:小林恵吾(Keigo Kobayashi)
1978年生まれ。2002年早稲田大学理工学部建築学科卒業、2005年ハーバード大学大学院デザイン学部修士課程修了後、2012年までOMA-AMOロッテルダム事務所に勤務。主に中近東諸国や北アフリカ地域にて建築や都市計画プロジェクトやリサーチの担当を務めた。主なプロジェクトに「ロスチャイルド銀行本社ビル」「カタール財団本社ビル」「カタール国立図書館」など。2012年より早稲田大学創造理工学部建築学科助教。2016年より同大学准教授。NPO法人「PLAT」役員のほか、設計事務所NoRA共同主宰。主な作品に「2014年ヴェネチア建築ビエンナーレ日本館展示計画」、「エネマネハウス2015ワセダライブハウス」など。

ドラマトゥルク:柴原聡子(Satoko Shibahara)
早稲田大学院理工学研究科建築学専攻修了。アートマネージメント、設計事務所や美術館の広報を経て、2015年よりフリーランスの編集・企画・執筆・広報として活動。建築やアートにかかわる記事や媒体を制作するほか、展覧会やイベントの企画・広報も行う。企画した展覧会に「スタジオ・ムンバイ 夏の家」(東京国立近代美術館、2012)など。現在は、アーティストのドキュメント制作やアートプロジェクトの広報などを担当。マガジンハウス『GINZA』のウェブサイトginzamag.comにて、アート記事を定期執筆中。

 

 

公演情報

公演期間

2017年10月20日(金)~2017年10月28日(土)

会場

大スタジオ

チケット購入

チケット料金

▽チケット発売
8月下旬~9月上旬予定